考えられることは何でもやりました。看護婦さんの衛生課長が、個人の食生活を改善しましょうというので、隊員の食事管理の指導を徹底するために、隊員の奥様方とのコミュニケーションを取ったのは好評でした。

「やっぱり、あなた、飲み過ぎよ。控えなさい」と。

施策を始めた当初、個人の食生活にまで踏み込まれるというので、かなりの反発があったようです。

ある隊員が、部外の病院に行ったとき、医者にチラリと「とんでもない連隊長が来た」と言ったところ、「どうした?」と聞かれたので喜んで「カクカクシカジカで・・・」と不満を語ると、「今、病気予備軍が社会的に問題になっているときに、そこまで徹底して指導してくれるとは自衛隊はすごい」ということになり、「文句を言わずにちゃんとやれ」と説教されてしまった、という笑い話もありました。

不満を漏らす相手を間違ったようでした。

強制的に病院に送り込んででも運動できるように(させようと)していました(笑)から、そのお陰で、医者から「命が助かったね」と言われた隊員も数名いましたし、体重が減って、膝や腰が良くなった隊員も多くいました。

奥さんに散歩に付き合ってもらうようになって夫婦仲が改善した人もいたとか・・・。

身体を壊してアウトサイダーのようになっていた人が、リハビリや体力錬成に一生懸命に取り組むようになり、部隊全体の雰囲気が、文字通り一変しました。

プロとして、いつでも全力で働けるように備える、そういう意識を植え付けたい。

何よりも、自分が指揮している隊員達から落ちこぼれを出すことなく、全員で、一緒に、目的地まで歩いて行きたい。

そして、何か人のために役に立つという実感を持ってもらいたい。

そのために、とりあえず、元気で勤務しましょうと・・・。

自衛隊だけではなく、生活習慣で、仕事に関わりのないことなど一つもありません。何でも良いのです。それでプロ意識が芽生えてくれば、組織は活性化します。

組織作りは、目の前にある問題点に、手をつけることから始まりします。

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