判断出来ない人には、それなりの理由があります。

頭が良いとか、悪いとかいう理由ではなく、むしろ性格が問題かもしれません。

一つは、自分では決めたくない、判断したくないと思っている人。

こういう人たちのほとんどは、責任のある立場になることを嫌がるか、責任を追及されることを嫌がります。大事な場面で、逃げる人で、大勢に流されることを好みます。

引っ込み思案なのかもしれません。

自分が当事者になりそうになると、言い訳をしたり、責任転嫁をしたりする人もいます。

自分では分かっているつもりですから、「本当は、こう思っていたんだ」などと、後から陰でブチブチと文句を言います。

的確に判断している人であれば、どう考えているのか聞き出して、それを褒めて、自信を持たせることで、積極的になっていきます。

判断がボケてしまっている人は、そのまま黙っていてもらえば良いでしょう。すぐには直りませんから、変に自信を持たれると、皆が迷惑してしまいます。

二つ目は、迷ってしまって判断出来ない人。いわゆる優柔不断な人。

こういう人は、自信のない人に多く見受けられます。自分の意志を示すことが出来ない人たちです。ひょっとすると、自分の考えを出すことが悪いことだと思い込んでいるのかもしれません。

論理よりも感情が先だち、あれも気になる、これも気になる、という人もいます。

この人たちには、普段から、好き嫌いや良し悪しを口に出して、少しずつ積極的に意志を示す癖をつけさせることが必要です。

いきなり良いか悪いかを判断させると、嫌がったり、パニックになったりするかもしれませんから、君はどう思う? なぜ、そう考えたの? などと、ヤンワリと考えを引き出すように話をしていると、だんだん自分の考えを出せるようになります。

なかには、自信があって、あれやこれやと幅広く解説するときには、非常に的確に語っているが、イザ決める段になるとまったく決められない人がいます。

部下としては有能かもしれませんが、こういう解説者か評論家のような上司を持つと、部下は仕事が増えるばかりで、本当に苦労してしまいます。

このような人は、結論から話をさせる癖をつけさせることが大事です。

三つ目は、判断する要素が分からない人。

何が重要なのかを決めることが出来ません。無理に判断を求めると、トンチンカンな判断を示して、組織を混乱させてしまいます。

いわゆる頭が悪い人だと言われる人は、これに当たるのかもしれませんが、人の話をよく聞くことで、答えは見つかるようになります。そのためには、的確なアドバイスを出来る人を傍に置くことです。

逆に、こういう人を上司に持った部下は、焦点の定まった情報を継続的に提供しなくてはなりません。ことによっては丁寧に、情報の価値を説明する必要があります。

簡単に答えを選択できるようにして、数個の選択肢と明確な判断要素を並べて、判断を仰ぐと良いでしょう。

リーダーが部下を指導するとき、三つのパターンを理解していることは大変重要です。

部下に「やれ!」と言って命じることは簡単ですが、十分に理解して、積極的に取り組んでもらわなくてはなりません。

そうすると、やらせたいこと(やってもらいたいこと)を説明して、最後には、これから取り組むべきことを自分の意志として口に出させることが必要です。

ただやらされているのと、口に出して、自分の意志として実行するのとでは、取り組む姿勢に雲泥の差がでてきます。

是非、お試しあれ!!