最近は、気候変動、地球温暖化が、災害そのもののように語ることが多くなりました。

地球の温暖化による降雨量の増加による災害がそれです。

http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/an_wld.html

地球温暖化は空気中の二酸化炭素による温室効果が大きな要因だとされ、二酸化炭素の増加は人間の経済活動の結果として起こっているのだから、CO2の排出を削減しなければならないと、声高に叫ばれています。

地球の温暖化と空気中のCO2の量が密接に関係していることは間違いがありませんが、それを直接、人間の経済活動の結果だけに結びつけることは無理があります。

地球の温度(天候、気象等)は太陽との関係によって決まってくるもので、何故、地球が何万年、何十万年の周期をもって氷河期と間氷期が繰り返してきたのかは、理論的にほぼ解明されています。

それを産業革命以降、わずか100~200年程度の人間の経済活動と温度変化の測定データに焦点を当てて着目し、地球の温暖化が人間の経済活動の結果だと結論付けるのは、あまりにも論理が飛躍しています。

人間の経済活動を抑制、コントロールして地球温暖化を防ぐことができるかの如く唱えるのは、科学技術の発展によって自然を克服できるのだという、科学技術万能主義、開発至上主義の裏返しの表現だと思います。

地球の環境は、言うまでもなく、人間の力では如何ともし難い天体と地球の活動によって生み出されている自然現象です。

第一に、太陽との位置関係によって生じる何万年かの長期の気候変動があります。

第二に地球の地軸が22°~24.5°傾いていることによる周期的変動。

しかも、約2.6万年の周期で地軸の傾きがコマの軸のようにスリコギ状の動きをしているので、太陽の当たり方が変わり、地球の温度は変化しているというのが第三の要因だと考えられています。

深内部が高圧高温で液状化して軟らかい半固体の性格を有している地球は、夏と冬の温まり方によって1年の間に、伸びたり縮んだり形を変化させています。

これらの要因が複雑に、相互に絡み合っている地球環境の変化のメカニズムは、総てが明らかになっているわけではありません。

大気中のCO2の量が気温に変化に関係していることは間違いないことは分かってきましたから、自然の循環メカニズムを破壊してしまうような急激な変化をもたらす開発をすべきでないことは間違いないでしょう。しかし、温暖化の結果CO2が増えているのか、CO2が増えているから温暖化しているのかは未だ分かりません。

地球にどのようにしてCO2が蓄えられ、そして大気中に排出されているのか、まだまだ自然の循環メカニズムは、分かっていないことばかりです。

いずれにしても人間の力の及ばない環境の変化は、じわじわとやってきますから、好むと好まざるとに関わらず、それに対応して生きていかなくてはなりません。

私たちの最優先事項は、目の前で起きる災害に対処し安全安心を確保することです。

現実に立ち向かう切実な課題は、低開発国が、地球温暖化対策や環境問題という“成果が見えない支援”よりも、今目の前にあるリスクに対処できるように「成果の見える支援」を求める声に表れています。

この目の前のリスクに対処するために、日々改善を繰り返しているうちに、だんだん住む場所が移り、ライフスタイルが変わり、社会全体が進歩していきます。

私たちには、対処できるものとできないものがあります。それを峻別して語らなければ、危機意識を煽り、進歩の歩みを遅らせてしまうことになりかねません。

科学技術という手段を用いて、自分たち自身が弛まず、成長し発展することによって変化を克服し、災害をできるだけ低レベルに抑え込む努力をしながら、私たち自身が成長し、発展し、進歩していくのだと思います。