
Q1 総合計画を含み、国土強靭化計画、地域防災計画等、沖縄県の防災に関する計画体系はどのようになっているのですか。
A 沖縄振興特別措置法に基づく「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」(沖縄振興計画)が実質的に最上位の計画になります。建前上は、国土強靭化計画、地域防災計画と並列ですが、政府や関係委員との関係、国の予算要求等の根拠となることなどから平時の行政に関する実質的な影響力は、「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」が最も大きくなっています。

Q2 そもそも作成主体が異なるので、計画の整合性を保つのは難しいだろうと思うのですが、実務を担当する皆さんから見ると、防災に関する整合性はいかがでしょうか。
A ご指摘の通り、整合をとるように努めてはいるが、計画の目的も策定者も異なりますので微妙なところまでは完全に整合が取れていません。ただ、ビジョン計画、国土強靭化計画において理念や大枠での整合がとれていれば、防災に関する行動は地域防災計画に基づいて動いていきますので問題ないと思います。
Q3 業務継続計画は、県が主体で策定するので災害時の行動の規範となるように作られていると思うのですが、沖縄県の場合、基礎自治体以下は島嶼に分かれているので、それぞれの事情が異なっていると思います。
沖縄県では災害時の業務継続のため、どのようなことが考慮されているのでしょうか。
A 沖縄県では、業務継続計画を5つの圏域に分けて考えています。沖縄本島の北部、中部、南部、宮古、八重山それぞれの5つの圏域です。各圏域に地方本部、拠点を設けています。
ただ、離島の特性上、交通手段と端末地の確保の問題はどうしても解決できませんので、各圏域に任せているのが現状です。各圏域内でも、同じ問題があります。
2年前に受援計画を策定したのですが、空港、港湾の使用等、交通手段が問題になっていて、県内の応援体制は整備されていません。
Q4 沖縄県として、最も力を入れている防災施策は何でしょうか。
A 最も力を入れているのは、危機管理能力の充実強化で、現在、「沖縄県防災危機管理センター」を建設中です。
その他は、耐震化の推進、街づくり、人づくりの三つが焦点です。特に、住民の自律的動きができるよう防災意識を高めていきたいと思っています。
Q5 沖縄は台風災害には敏感だが、その他の災害経験がないので、全般的には防災意識が低いということでしょうか。
A6 確かにその通りだったのですが、昨年の台風時の住民の避難行動は全部の地域で予想以上に円滑に行われていたところを見ると、意識は高くなっていると思っています。
Q7 沖縄で最も重視して想定している災害は、どのような災害ですか。
A 地震活動は沖縄トラフ周辺及び石垣島近海から台湾東方沖にかけて活発で、20の想定地震があるのですが、そのうち沖縄本島南東沖地震という、琉球海溝三連動の地震対応を最も重視しています。死亡者1.1万人を想定しています。

その他には、台風・豪雨等の水災害になります。
1771年の八重山地震津波、通称明和の大津波の伝承はあるのですが、記録がなく、検証できていません。観測データが不足し、科学的見地からの判断材料がないので、防災上の参考になっていません。
Q8 沖縄県の消防職員数は約1600名、充足率約63%、消防本部未設置町村は、2町10村とのデータがありますが、消防本部との連携や基礎自治体との連携はどうですか。
A 消防の防災情報は、41市町村で情報共有できるように「沖縄県防災情報システム」の拡充強化で一元化します。また、市町村防災行政無線等の整備を推進しています。これらの整備は、「沖縄県防災危機管理センター」の整備とともに、「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」に入っています。
「ビジョン基本計画」で、「あらゆるリスクに対応する安全・安心な島づくり」を基本施策としてうたっていますので、地域防災力の強化や社会基盤等の防災・減殺対策にも力を入れています。
基礎自治遺体との連携は課題があります。例えば、北部豪雨の際に、連携が取れず、応援要請が出されませんでした。防災に対する認識不足と情報共有は課題だと思います。
首長が一堂に会するのは、沖縄振興拡大会議の時だけですので、何とか連携を深めていきたいと思います。
Q9 防災備蓄の現況はいかがですか。
A 防災備蓄の状況は、非公表にしています。3日分の備蓄を目標にしたいと考えています。
沖縄に防災備蓄食の供給企業がないことは大きな課題だと思っています。

沖縄は、有人島49、多数の無人島からなる。
