BCPを作ろうとして「サンプルを見たのは良いが、複雑すぎて上手く取り組めない」ということは良くある話ですし、「BCPを作っただけで終わってしまった」ということもよく聞く話です。

その名の通り、BCPは「事業継続計画」ですから、店舗の実態に適合して、実行可能なものでなくてはなりません。

重要なことは形式ではなく、実効性(本当に機能すること)です。

日常の業務の改善につながらない計画は、決して災害時に役立ちません。最初の一歩を小さく、優先順位を明確にして店舗経営者向けの BCP策定の手順(優先順位付き) を提示します。

店舗の規模や業務内容など、ご自分の店舗の実態に即した形で作成してください。

【第1段階】命を守る計画(1週間以内/最優先)

1 目的

  まず人命を守る体制を整える。

2 前提

  勤務時間内に、災害が起きた場合の対応を計画

3 内容

① 避難経路と避難場所の確認

   店舗内の安全経路図及び近傍の避難所への経路図を掲示、従業員全員に共有

② 職場の整理整頓

   重要品の表示・確認、落下・転倒防止、不用品の処分

③ 連絡体制の整備

   従業員・家族・主要取引先の緊急連絡先リストを作成

④ 初動マニュアルを作成(A4一枚)

   「発災時に誰が何をするか」の役割を簡潔に明示。

⑤ 避難訓練を実施

   ・できるだけ早い時期に、一度実施。

   ・年1回、防災の日(9月1日前後)を目安に計画。

【第2段階】店を守る計画(1か月以内)

 目的

  店舗と商品・設備を守り、営業再開を早める。

2 前提

  ・いつ災害が起こるかによって対応が異なるので、ケースに区分して計画する。

  ・一番考えやすい「勤務時間中」のケースから策定した後、考える幅を広げていく。

  ・勤務時間外は、参集の条件を示すことが必要です。

     ① 勤務時間中

     ② 勤務日の勤務時間外

     ③ 休日の昼間

     ④ 休日の夜間

     ⑤ 季節、天候等の特性に応じた考慮事項

3 内容

     ① 店舗のリスク点検(地震・水害・火災)

         ハザードマップ確認、什器・棚の固定、浸水対策を実施。

     ② 保険と契約の見直し

         火災・地震・水害補償の有無を確認。

     ③ 在庫と設備の保全策

         高所保管や耐水容器利用、冷蔵設備の停電対策(発電機・保冷剤)。

     ④ 停電・断水時の対応マニュアル

         営業を継続する最低限の資源を明記。

【第3段階】商売を守る計画(2か月以内)

1 目的

  営業を止めない・顧客を失わないための仕組みづくり。

2 前提

  営業を再開できる最低限の体制と条件を決める。

3 内容

     ① 仕入先の複線化

         主要仕入先が被災した場合の代替先を確保。

     ② 顧客への情報発信体制

         停電時にも使えるSNS・掲示板・張り紙などを準備。

     ③ 資金繰り対策

         緊急融資・見舞金制度・自治体支援を把握。

     ④ 商店街・地域との共助

         商店街の仲間と「共助ネットワーク」を構築。

【第4段階】訓練・更新(毎年、定期的に実施)

1 目的

  事業継続計画を周知徹底し、改善する。

2 前提

  結節をとらえて、実働訓練する。

    ・定期(週末、月末、期末、年末、年度末等)

    ・新入社員受け入れ時

    ・休暇前

    ・職員の交代時等

    ・大災害のニュースが報道された時

3 内容

     ① 上記3段階をA4数枚に整理

         自店専用の「簡易版BCP」としてファイル化。

     ② 毎年12月に点検・更新

         「できた」「まだ」のチェックを行う。

     ③ 防災週間や地域訓練に参加

         実践を通じて改善点を補備修正。

以上