三重県のほぼ中央に位置し、東は伊勢湾、西は台高山脈と高見山地を境に奈良県に接する。地形は、西部一体が台高山脈、高見山地、紀伊山地からなる山岳地帯、中央部は丘陵地で、東部一帯には伊勢平野が広がり、北部を雲出川、南部を櫛田川が流れる。面積は、東西50km、南北37kmで、三重県全体の約10.8%。温暖な気候。

人口は163,863人、63,948世帯(平成27年 国勢調査)。

Q 松阪市の防災施策の焦点は、何ですか。

A 南海トラフ地震の津波に対策で、津波避難タワーを2カ所、設置しました。ソフト面では、地区防災計画の作成に力を入れています。

Q 地区防災計画は、どのような区分の地区で作成しているのですか。普及の程度はいかがでしょうか。

A 住民協議会や自治会を単位として制作してもらっています。43コの住民協議会があって、現在、5コの協議会で作成されています。

ハザードマップを基にして、地域毎の特性に応じて、制作してもらっています。

Q 各協議会で作成するというのは、とても素晴らしいですが、素人の方が計画を作るのは大変だと思います。様式や制作のガイドラインはどのようにしているのでしょうか。

A 国や県から出されたものを参考にするようにはしていますが、そのままコピーするようでは役に立たないので、私たちがアドバイスをしながら、自助努力で作ってもらうようにしています。責任者はそれぞれの地域、自治会等によって異なります。

指導する方にも限界がありますので、能力の範囲内で努力しています。

Q 全部の住民協議会が計画を作成するまで、どの位の期間を考えているのでしょうか。教育や研修を通じて人材育成をする計画は、あるのでしょうか。

A 現在、4年後に半数まで計画ができれば良いと考えています。

 人材育成の施策が上手くいけば、2年くらいで、目標を達成できると思います。

Q 要支援者の避難については、どのようになっていますか。

A 住民協議会、自治体等で計画してもらっています。市役所から支援要員を出すようにはしていません。

災害時要支援者の対象は、災害時等に、自力または家族などの支援だけでは避難することができない、または、家族などの支援を受けられない在宅の方で、自分の住所や名前などの個人情報をお住まいの地域の住民協議会、自治会、民生委員・児童委員、自主防災組織、消防団、社会福祉協議会等へ提供することに同意される以下の方を対象としています。

あくまで、地域の助け合いによる支援で行うもので、必ず支援を受けられるというものではありません。支援を希望される方自身も、常に自分の身は自分で守るという意識を持って、普段から積極的に周囲の方とコミュニケーションを取るように呼びかけています。

Q 市役所の対外対策本部はどこに設けるようになっているのでしょうか。その訓練等はどのようになっていますか。

A このフロアに大会議室がありますので、そこが災害対策本部になります。

  訓練は、年に5~6回くらいの頻度でやっています。三重県は、警報が出されると災害対策本部を設置するようになっていますので、警報の都度、訓練をしている状況です。

災害対策本部の活動は、役所内では円滑に行われていると思います

Q 消防本部との位置関係はどうなっていますか。どの位離れているのでしょうか。

A 約1km離れていますが、必要に応じて、消防長が来たり、連絡要員を派遣したりして連携を取っているので、問題ありません。

Q 市や自治会等の備蓄品の整備は、どのようになさっていますか。

A 市で購入して、避難所等に分散配置しています。備蓄品の使用は、避難所の判断で使うようにしています。自治会等が補助金で購入する制度は取っていません。

【後記】

住民の自助を基本として、各防災施策を考えているところが特徴で、極めて分かりやすい、と感じました。住民の自助意識をいかに組織化して、災害時の対応の確度や共助の意識を高めていくことが、課題かと思いました。