少し、神話の時代から、時代が下って文字が現れた頃、災害をどう見ていたか。

漢字は、象形文字ですから、イメージが形に表されていて、イメージが極めて論理的に表現されています。

例えば、「災」文字。

上半分は、水の流れが塞き止められて氾濫するさまを表していて、その下に、火が付け加えられて「災」の文字となっています。

川の流れが塞き止められて、水が横流れしてあふれ出す形、田畑を潰し、家を押し流す様を現していました。

もともと上半分だけで水災の「わざわい」を指し、草木がその生長を妨害されて枯死することや、焼畑農業のことをいっていましたが、のちに「火」が加わって、「災」を表すようになりました。

「危」の文字は、人が崖の上から崖下をのぞき込む姿と、崖下でひざまずいている人の姿を描いた象形文字です。

大昔から、災害は、水と火によってもたらされ、崖は危ないから気をつけろと、されていたことが分かります。

ついでに「害」は、祝詞を納めた箱の上から、把手のついた大きな針で塞いだ図で、口の禍が家の中から起こることに由来しています。

「口は禍の元」だよという文字なので、こちらは身近から起こる人災を表しているということになります。