物事には原理原則があり、投資では、「長期に積み立てを継続する」ことが成功の確率を高くする原則になりますが、 災害への対処も同じです。

目の前の災害を恐れるあまり、過剰な対策に走ると、日常生活に不自由をきたしたり、生活の楽しみを減らし、将来のより大きな災害を招いてしまったり、長期的な豊かさを得る機会を失ってしまいます。生活の自由さや豊かさばかりを求めて、対策を怠ると、目の前の災害で致命的な被害を被り、すべてを失ってしまうかもしれません。

災害や危機は必ずやってくるもので、なくしてしまうことは不可能ですが、地道かつ継続的に災害対策を積み重ねることによって、災害や危機が発生する確率(さまざまな事象が災害や危機につながる可能性)を軽減することは可能です。 障害が発生するリスクを軽減して危機を管理し、安全を保障する目的は、究極、目標達成のためです。ただただリスクを語り、防災と安全保障を語るのでは本末転倒になってしまいます。

防災も安全保障も投資も、目標とするところは、長期的な成長、豊かさの追求・・・・。リスクに対応する力を貯めることは、次なる成長への準備だともいえるしょう。 常に目標を意識しながら、リスクへの対応能力を高めて実力を養い、成長する道を追求したいものです。

 目の前の変動に着目して当面の「リスクや災害・危機への対応」に集中するタイプと、「長期的な成長」に着目して、自分の目標を考える、二通りのタイプ。 二つのタイプの人たちがどのようにアプローチするかは、自己表現の選択だと言えるでしょう。青臭い表現をすれば、何のために生きるのか、どう生きるのかが問われているのです。 本田宗一郎さんがいた頃のホンダは、車を作るのに、「愛はどんな形だ」「この車に愛はあるのか」と、真剣に議論していたと聞きましたが・・・・・。