危機管理課の眞部和徳さんに防災上の焦点となる現地を案内していただき、島田市の防災施策について、伺いました。

江戸時代、大井川の両岸で宿場町として栄えた島田宿(島田市)と金谷宿(榛原郡金谷町)の両地域が、2005年に合併して誕生した。文金高島田や島田髷の発祥の地。

人口約10万人(2008年に川根町と再合併)。

比較的災害は少なく、防災の焦点は、大井川を中心とした水系の水防。我が国の防災の要点ともいうべき浜岡原発のオフサイトセンター、戦略的な輸送ターミナル(防災拠点)である静岡空港がある。

地域の人のつながりが強く、住民の自治会への加入率は90%(国78%)、1万人当たりの消防団員数85人(国71人))〔いずれも平成30年6月現在〕、1千人当たりの民生・児童委員数5.1人(国4.3人)などの数字に、地域住民のコミュニティー力が現れている。

東海道の戦略的要域安定確保のための歴史的努力と、それとともに培われた地域住民のコミュニティー力という目に見えぬ力が、島田市の防災力の基盤となっているのだろう。

まず、市役所では、災害対策本部を見せていただきました。

UTM座標入りの地図を整備して情報共有を容易にし、災害対策本部指揮所は、最も災害の蓋然性が高い大井川水系の水防と斜面災害対応を基準として、機能的に準備されていることが見て取れました。

市内の要所を案内しながら、地形の特性、危険見積、防災取り組みの歴史に始まり、現在進行中の新市役所や島田市立総合医療センター建設など防災を考慮した街作り他、さまざまな角度から進められている施策について、体系立てて説明していただきました。

国土交通省が推奨している基礎自治体の国土強靱化地域計画。コンサルタント会社に委託して、形だけの計画を整備している自治体が多いと聞いていたが、ここでは地域住民の意見を吸い上げつつ、専門家の知見を得ながら職員自らの手で、策定したとのこと。

国土交通省が進める「国家百年の計」の施策は、地域住民の理解と基礎自治体のソフト面での施策が結びついて、初めて意味のある施策。国の施策と地方自治体の施策が一体化して進められる、価値あるモデルケースだと思います。

土砂災害の恐れがある伊久身地区の視察では、昭和35年土砂災害への災害派遣中に殉職された故田上博樹陸士長の慰霊碑にお参りしました。この慰霊碑は、事故後50年以上、地元伊久身小学校の生徒によって慰霊、顕彰され、子供たちに伝承されてきたとのことでした。

また、伊久身地区への移動間、他地域における災害の教訓を反映したタイムリーな処置として、倒木から電線等を保全するための樹木の事前伐採の様子を視察しました。

中部電力や地権者、業者との調整、予算、伐採した樹木の処理等々、地域住民他、多くの方々から非常に喜ばれたとのことでしたが、理解を求め実行するまでの行き届いた調整だけではなく、危機管理部の職員全員が出動して実施した市の姿勢に共感と信頼が集まったのだろう、と感じました。

染谷市長のお話しを伺ったのは、眞部和徳さんの現地説明等の後でしたが、説明を通じて、市長の意図を体し、防災や危機管理の仕事(視点)が、多様な地域行政を結びつける一つの柱として推進されているように思いました。