《まったくの料理の話になってきたので、コメントを書くのも、間が悪い感じですが・・・。

長期の演習や訓練で欲しくなるものと言えば、新鮮な野菜。学生の頃は1週間の野営訓練で、キャベツの芯はもちろん、スイカやメロンの皮まで完食する者が続出するほど。

長期の災害派遣では、栄養上は問題ないというのだけれど、隊員の口内に炎症ができて、その原因は野菜不足?? 東日本大震災のときには、ビタミン剤を飲んでもダメだというので、隊員から食料の差し入れ希望は、野菜ジュースしかなかったほどでした。 今は、本当に栄養価の優れた、飲みやすくておいしい野菜ジュースが出ていますので、防災備蓄の必需品として、家庭に常備しておくのも良いと思います。》

1番。安いけど高く付くオードブル代表、ラディッシュ。

ラディッシュは、初夏に「あっ、夏だ」と、夏到来を知らせてくれるオードブルで、ペルノ(八角ベースの酒で、水で割ると白濁する。アブサン)を飲みながら食します。ラディシュ自体は大変安価なのですが、一緒につけるバターが高価なのです。

ちなみにオードブルはフランス語で、Hors-d’oeuvre と書きます。

意味は、①(a)(建)付属屋、突出部、(b)(作品の)主題と関係のない部分、②(料理)前菜、オードブル、です。Horeは、「外に」のほかに「以外は」で、Oeuvre、「前菜、仕事、行為」という意味で、簡単に云えば、「料理以外」ということです。

このオードブルは、ロシアから発達しました。ロシア皇帝の時代に、食事会で会食するときに、お客様達は馬車で雪の中、色々な方面から三々五々集まるので、皆が集まるまで、食前酒に強いウォッカを飲みながら、キャビアなどを摘まみ、談笑しながら待っていました。この摘まみが、Hors外、d’oeuvre仕事(料理)となって発展しました。

1974年に、私はホテル・リッツにいましたが、オードブルやサラダは、料理人は作らず、ボーイ(給仕)が作っていました。調理とは見なさなかったのです。

で、サラダが出ましたので。

2番、サラダ。

今、私の店に若いお客様がお見えになると、肉料理の後にサラダが出るので、びっくりなさっています。なぜならば、前菜としてサラダを出す店が多いので、サラダがオードブルだと思っているのです。その都度、家内が説明をしています。

ことは、アメリカのフォーシーズンホテル。サラダバーを始めたのが大当たりして、一大ブームになり、世界中に、コロナのように飛び火しました。フランスでは、サラダは後なのです。

フランスでは、食事とワインは切り離せないもので、1970年当時、子供にも水で薄めて飲ませていたので、びっくりしました。フランスの家庭では、アルコール度数にして100%のものが2ℓまで作れる権利を獲得しており、5%だったり、6%、7%だったり、それぞれの家庭で、自分の好みのワインを何本も作って飲んでおりました。地方の警察が、村を巡回すると小さなワイングラスに白や赤のワインを、「まず一杯」と。古い50、60年代の映画によく出てくるシーンです。日本で云えば、「まぁ、お茶でもどうぞ」と、同じです。それぐらい親しみのある飲み物なのです。食事をおいしくと。

ところがそのワインはお酢を一番嫌います。ですから肉料理の後にワインビネガーの酸味のあるドレッシングでさっぱりしてもらいます。このとき初めて、水を注ぐのです。

3番、皆さん、朝食に召し上がるクロワッサンに二種類あるのをご存じですか?

三日月型と真っ直ぐなものと。違いは、真っ直ぐの方はバターで作られ、三日月の方はマーガリンで作られています。マーガリンというと安物とお思いの方も多いでしょうが、ホテル・リッツのマーガリンは、バターよりも3倍も高いスイスのものを使っておりました。

パンで思い出しましたが、田舎風パンの切れ目飾りは、イギリスのヒッシャーマンセーターと同じ、自分の家のマークです。地方では、毎日パンを焼くのではなく、村で、何日かに1回、共同で焼いていました。だから、自分のものが分かるマークが必要だったのです。ちなみに田舎風パンは、長期保存用パンです。

4番、私もびっくりの日本独自の調理器具、お釜。

地中海のレ・サントンのオーナー、ジラルド氏の友人の店で、車でしか行けない、サント・ロペから30分くらいの岬の突端にあるブイヤベース専門のレストラン。ここに30台くらいの竈とお釜がありました。

すぐ近くの入り江から、店の舟で岩場の小魚を網で捕り、魚のスープを作ります。

お釜の中に、一番下に皮をむいたジャガイモを数人分、その上に見崩れしにくい魚から順に入れ、熱々のスープを入れて薪で炊き、20分ぐらい火を入れる。竈から外して、蓋で魚を押さえてスープをサービス用のスープ入れに入れて、サービスします。そして細長の魚用の大皿の上に、蓋をずらして魚を上手に出し、最後にジャガイモを出します。そして給仕が魚をさばき、皿に盛ってくれます。

食後のサラダもデザートも、ありません。でもシーズン中は予約で満席。 ちなみに蓋も日本の、あの厚い木の蓋でした。

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