2 受け取り方の反応~5つの防衛パターン

人は、外部からの刺激に対して、無意識に、自分を守ろうとします。その代表的なパターンをあげています。

防衛パターンは、1つのパターンにはまるとは限らず、複数のパターンが混在します。

義務心や責任感などで、本心(本性)とは異なる反応を示す場合がありますので、他人を見る際には“パターン化”して見ることなく、よく内面を観察することが必要です。

① 攻撃・他罰型

ストレスがかかると、気分が高揚して、苛立ちが高まり、他者に対して攻撃的になる。相手を責めることで、自己正当化し、不安や恐れを緩和しようとする。自分の本当の感情をつかめず、肝心なことは言えていない。言動が必ずしも攻撃的ということではなく、行動は非主張的だが、内面は他罰的、ということもある。

現れる態度としては、無視、傍観者、サボタージュなど。

② 理論武装・正義感型

ストレスが高まるほど、「正しさ」を武器にして、自分を守ろうとする。完璧を目指し、几帳面で、何事にも白黒をはっきりつけようとする。勝ち負けへの意識が強く、人から欠点や弱点を突かれることを恐れる。理想が高く、平常時は真面目で実直、責任感がある。トラブル時など、不安や緊張が高まると、言葉や知識を楯にして、相手を責める。

  現れる態度としては、理詰め、慇懃無礼、取りつくしまもないなど。

③ 引っ込み思案・自罰型

周りからの評価や他者の意思・気持ちに左右されて、自分を抑える。我慢することでトラブルをやり過ごそうとする。人との対立、攻撃を必要以上に恐れる。他者に配慮することが自分を守ることになっている。他者のマイナス感情(怒りや不快感)を自分のせいにして、ストレスがたまることが多い。

現れる態度としては、非主張的、妥協的、優柔不断など。

④ ニコニコ反応・過剰反応型

引っ込み思案とも通じるが、むしろ積極的に場や相手に合わせる。非難されるのを恐れる気持ちから、過剰に肯定的な反応をしてしまう。日頃から、サービス精神が旺盛な人も多い。嫌なことなどをニコニコと引き受けてしまう。親切、世話焼き、親しみやすい印象を与えるが、反面、自分の本心を理解されにくい。何を言っても良い相手だと軽んじられてしまうことがある。

現れる態度としては、お笑い芸人の“いじられキャラ”的な態度など。

⑤ 環状を閉ざすシャッター型

人間関係で傷つきやトラウマ経験があり、それを守るため、ストレスに対して感情を止める心の反応ができている。

例えば、「頭のなかが真っ白になる」「身体が固まってしまう」など。いじめに遭った体験のため、相手の大きな声や威圧的な態度で「身がすくんでしまう」こともある。

ちょうど、心にシャッターが降りて、外界から身を守るのに似ている。

現れる態度としては、無反応、暗くて寡黙、会話するときに相手の目を見ないなど。