《人の成長って、自分では分からないものです。私は、2~3年先輩を見て、もうすぐこういう立場になるのだ、こういう仕事をするようになるのだ、と数年後の自分を意識して、知らず知らずに学ばせてもらっていました。

後輩や子供がのびのびとした自信あふれる姿を見ると・・・・大したものだ、なんて成長の速度に凄さと未来を感じます。

でも、同期の友人と会うと「いつ見ても変わらないね」と、一瞬にして若い頃に逆戻りして、皺や白髪が増えていても、時間は昔のまま、フリーズ状態。 自分の姿を意識したことはないけれど、他人の姿を鏡にして、自分自身を見ようとしているのかもしれません。》

先週の金曜日に5名で、あるお客様からご予約が入っていました。よく存じ上げているお客様なので、このコロナ禍の最中でも、私たちの方がお迎えするのを楽しみにしているご家族です。前にも別の文章で出てきた方です。

この日のお集まりは、お孫さん、通称サディーのお誕生日で、おっしゃっていただければケーキを作っておいたのに、などと色々な話が出ました。

大奥様は外出するときに、自転車がお好きで、お住まいのある高輪から四谷などは自転車で出かけるとおっしゃっていました。自転車もさぞ格好良いのに乗っておられると、豈図らんや、その自転車はママチャリだそうです。しかしこのコロナで外出は控えられたそうです。スーツから外套までご自身で作られる方なので、かえってやることが多く、普段よりも忙しかったそうです。

私の家内も4,5月と店を休んでいる間に、店で着る洋服の型紙を店のテーブルを退かして作っていました。今回のコロナで何もしなかったのは、どうも私だけのようです。

この会食でメイン料理を出した後、いつものようにサディーたちお孫さんのコーヒーの件を聞いてくるように、家内に話しました。

これは近頃ないショックでした。たぶんコロナよりもショックが大きかったです。

それは家内の返事が、コーヒーで良いとのことで、え!!牛乳やホットミルクじゃないんだ。今まではホットミルクだったのにと思い、初めての感覚でした。寂しさという、あ~あ、みんな大人になっちゃったんだと。サディーは、前の店では床が絨毯だったのでテーブルの下をハイハイしていました。私が「そこは汚いから」と云うと、お母さんが「大丈夫ですよ。この子は、うちではドッグフードを、犬から奪って食べちゃうんですから」と云っていたのが、もう16歳になって、大人になっているんだと思い、急に何か置いて行かれたように寂しく思いました。

前に、私が帰国したときに母が、「利男、明美がね。この前フランスから帰ってきたとき(妹の明美が私との1年のパリ生活から帰ってきたとき)に、もうお母さんなんかいらない、私、ひとりで大丈夫という感じだったのよ。寂しくって、寂しくって」と云っていました。「それまでは、いつもお母さんに纏わり付いていたのに」。たぶん母が云っていたことが、この度、私が感じたことと同じだったのでしょう。

そして、この次は、妹のユキちゃんの番です。今、中学1年の美人さんなので、あと2~3年後にはボーイフレンドができると思っております。最初のデートは、龍圡軒と決まっているので、そのときは、おじい様、お父さんよりも私が一番うるさく一挙一動見守ろうと思っております。

おじい様のご友人で、こちら様も6月においでになりました。しばらく奥様がご病気で、外出できるようになられてお越しいただきました。このとき、有名な息子さんと初めてお会いしました。何が有名かというと、ご両親様曰く、「息子は水に縁が深く、幼稚園のとき、お友達の家に遊びに行き、池に落ちたのです。帰ってきて、なんとスカートをはいてきたんですよ。友達が女の子だったんです。小学校ではお祭りに行くと、金魚すくいの水槽に」、だそうです。そして、続いて「今はもっと深いところに」と。「えっ、どこですか」と聞くと、「潜水艦の艦長」と、笑いながら話されておりました。

家内と自分たちだけは、年を取らないと思っていた今日この頃です。

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