「穢(ケ)」を現代風に言えば、ストレスを意味しているのですが、活力もストレスも、その人の心のうちから湧いて出てくるもので、その根源は食にあります。

日本人が、古代から、生活全体のトータルバランスのなかで、メンタルヘルスを意識していたことは、文字の歴史に現れています。

「気」はもとの字は「氣」。意味は、①客に送る食料、食事のおくりもの。②空気、いき。活動の源泉となるもの、元気、ちから、いきおい。など。

「气」は、すべての精気の発するものであるから、その精気を養うものとして穀物・食物を「氣」という。

「氣」と「乞(きつ)」はもともと同字で、祈り求める意に用いられ、ものの内部にある精気が外に発する様子をいう。「食(け)」と同系の語とみわれる。

国語の「け」は、内なるものが外に現れることを意味し、「食(け)」のように精気の根源を意味する。「氣」と極めて語義の近いものである。

「穢」も和音を「け」とする。清浄を損なうものをいう。中世には、「晴れ(はれ)」の対義語として用いられた。

【『字訓』『字通』(白川静著、平凡社)より】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です