いつもの散歩&ジョッグコース、東伏見公園~石神井側沿い~武蔵関公園の帰り道、早稲田大学グラウンドの川向かいを東伏見公園に向かって歩いていると、下野谷(したのや)遺跡公園の看板を見つけた。いつも看板の裏側から歩いてきていたので気がつかなかった。 “遺跡”公園という名前に惹かれて、20段ほどの階段を台上に上がってみると、南関東最大級の縄文遺跡群の跡地だった。

石神井川沿いは綺麗に整備されていて、カモやサギが遊び、それを目当てに多くの人が散策しているが、 公園は幾つかの看板があるだけの草地になっている 。

石神井川は、関東平野で最も堅い地盤を形成する武蔵野台地の中央付近を流れている。そのなかでも最も自然災害が少ないところが、西東京市付近。平坦な台地上なので大規模に崩れる崖地もない。

かつては大雨で、石神井川が溢れたこともあったが、治水が良くなった今は心配ない。適度に田舎で、住宅が密集しておらず、ところどころに農地が残っているので、大規模な火災延焼の恐れもない。

大昔から、武蔵野台地は、自然に恵まれた、住みやすい土地だったに違いない。

この武蔵野台地が東に向かって舌状に延びたその先端付近に、市ヶ谷台があり、赤坂のTBSのビルが建ち、新宿の高層ビル群が建てられたのは、何しろ「とびっきり固い地盤の上だ」というのがその理由。

ところが、平成25年12月、中央防災会議(首都直下地震対策ワーキンググループ)から、首都圏の19ヶ所でのM7クラスの直下型地震想定が発表された。これが、それまでは絶対的に大丈夫だとされてきた新宿と霞ヶ関の直下型地震を想定したものだったので、この地震を想定すること自体の是非が問われ、省庁間で相当意見が分かれたというコメント付での発表となった。

最新の地盤調査手段を用いた成果を反映したものだったが、調査結果の精度に疑義を唱える声があったことと、想定しても対処のしようがないことなどが想定に反対する理由だったらしい。

大変分かりやすくまとまった報告で、英断だったと思う。東京都は、これに基づいて、逐次に対策を具体化しているように思えるが、国としての対策がどれだけ進んでいるのかは分からない。 都庁や国会議事堂が倒れて、霞ヶ関の官庁街に被害が出たら、どのような状況になることやら・・・・。

それはともかくとして、防災上一番の対策は、安全な場所を選ぶこと。太古、人は、安全で、水と食べ物のある土地に住み着いていた。

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