レジリエンスは、「逆境や困難、強いストレスに直面したとき適応する精神力と心理的プロセス」のことを言い、訓練によって高めることができます。

「レジリエンスには、思考の柔軟性が必要な事が分かってきました。つまり、厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見いだす事ができる人が、逆境を乗り越える事ができるのです。」

ポジティブ心理学(心理学者 イローナ・ボニウェル博士)

例えば、どんな困難にも負けない、レジリエンスの高い兵士を養成することは、軍隊の訓練の本質的な課題ですが、米陸軍では、特に兵士の精神面でのトレーニングに着目し、レジリエンス・センターという訓練施設を設け、バトルマインド・プログラムなど、さまざまなレジリエンス向上施策を用意しています。 

近年では、学校や仕事や家庭においても、広く役立つ有益なトレーニングだと認識されるようになってきました。

欧米では、レジリエンスについて研究され、ヨガや禅の精神的効用に着目されて、医療の臨床現場に活かされたり、最先端のIT企業が、ヨガを取り入れてメンタルヘルスケアをすることによって、レジリエンスを高め、生産性を向上させようとしたり、意欲的な試みがなされています。

欧米の人たちにとって、ヨガや禅、仏教的な精神修養の世界は、未知の研究対象になるもので、その「最先端の研究成果」を学術的研究として、経営の一手段として、生活のなかに取り入れるべきものとして、多くの方々が、紹介しているのが現状です。

確かに、自律神経とストレスの関係、ストレスに関わる脳内伝達物質の働きなどは、研究によらなければ決して生まれてこない成果なのですが、その研究の対象となっているのが、ヨガや禅、仏教的な精神修養の世界だということに、もっと着目して良いと思うのです。

そう思って身の回りを見てみると、そういった精神世界のなかで生きてきた、特に私たち日本人の生活のなかには、 慣習、習慣、躾、考え方など、当たり前に活かしてきた教えや智恵が、たくさんあることに気づかされます。

例えば、「ありがとう」や「いただきます」「ごちそうさま」という言葉のなかには、レジリエンスの構成要素としてあげられる、感情のコントロールの仕方、他者とのつながりを大切にする生き方、自己効力感を重視する考え方などが隠されています。

そういったものに気づいて活かすことにより、日常生活のなかで、 より自然に、無理なく、効果的に、そして豊かな気持ちで、最先端の研究成果を取り入れることができるようになると思います。これは、 経営者やビジネスマンだけではなく、子供から大人まで、個人から(トップリーダーを含んだ)組織人まで、 幅広い人々に受け入れられるようになるでしょう。

人災から自然災害まで、何が起こるか予想できない、不透明かつ流動的な時代です。家庭、地域、職場全体で、ポジティブな生き方をする、どんな災害にも負けない、レジリエンスの強いたくましい人材を育成したいものです。

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