私たちは、落ち込んだりストレスがたまったりすると、何かで発散して元気になろうと考えますが、もともと日本の行事は、自然のエネルギーに感謝し、人々に元気を与え、次に備えて、元気になる力を養うために行われてきた智恵の結晶なのだと思います。

日本には、古来より、ハレ(晴れ)とケ(褻)という概念がありました。

ハレは年中行事やお祭りなどの非日常をさし、ケは仕事などの日常をさしています。明治時代になるまでは、行事などのときに着る服を「ハレ着」、普段着を「ケ着」と呼んでいました。

平凡な日常が続いて気が枯れた状態がケガレ(気枯れ)であり、精神的なパワーが弱いので汚れやすくなるので、気が病むと「病気」になりやすいと考えられていました。

こんなときは、ゆっくり休んで、おいしいものを食べて、気晴らしするのがいちばん。そうすると気分が「ハレ」て、気が元にもどるから「元気」になります。そこで、所々に行事があり、仕事を休んで祭りを行い、晴れ着を着て、晴れの場に臨み、ご馳走を食べて、元気になって日常の暮らしに戻りました。

こうした「ハレ」と「ケ」を繰り返し、いわば、エネルギーを充電して、レジリエンスを強くしながら、たくましく生きてきました。

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